
今日はとってもピンポイントな層への投げかけとなりますがお許しください。
バイオリン弾きの皆さん、バイオリンケースの機内への持ち込みどうされていますか?これから夏休みになりますし、帰省先でしっかり練習するために楽器を持って飛行機を利用される方も多いと思います。デリケートな楽器ですので、できれば預け入れ手荷物ではなく、いつも自分の手の届くところに置いておきたいですよね。
かつては角型ケースでも機内持ち込みを黙認していたようですが、近年は厳しくチェックされるようになってきています。機内に持ち込むためのルールや適合するバイオリンケースをご紹介しようと思います。
- まずは、ルールを確認 115cm以内なら持ち込み可
- 楽器ケースの3辺の合計が115cm*以内の場合
- 楽器ケースの3辺の合計が115cm*を超える場合
- 115cm以内のケースって、市販されている?
- 機内持ち込み用バイオリンケースを借りる
- さいごに
まずは、ルールを確認 115cm以内なら持ち込み可
例としてANAの規定を転載します。JALもほぼ同様の規定です。
楽器ケースの3辺の合計が115cm*以内の場合
持ち込み手荷物として機内へのお持ち込みが可能です。ただし各辺の長さが55cm・40cm・25cm(小型機は45cm・35cm・20cm)のいずれかを超える場合はANA係員にお知らせください。サイズの確認をさせていただきます。機内では座席上の収納棚への収納をお願いいたします。
*100席未満の機種は100cm楽器ケースの3辺の合計が115cm*を超える場合
■お預けをご希望のお客様
・手荷物カウンターにて受託手荷物としてお預けください。楽器によっては専用ケースをご用意しております。
・無料手荷物許容量を超える場合には、重量超過手荷物料金をいただきお預かりいたします。」
■機内へお持込をご希望のお客様
特別旅客料金をお支払いいただきお持ち込みいただけます。また、機内持ち込みのバイオリン用ケースもご用意しております。
*100席未満の機種は100cm
100席以上の航空機の場合、3辺の合計が115cm以下のケースでしたら大丈夫です。「ただし各辺の長さが55cm・40cm・25cm(小型機は45cm・35cm・20cm)のいずれかを超える場合はANA係員にお知らせください。サイズの確認をさせていただきます」…というところがちょっと引っかかりますね。明確にNGとしているわけではないので、よっぽどおかしな形状でなければOKとみていいと思います。バイオリンケースの形をしているものであれば、問題ないと解釈するのが自然かと思います。
115cm以内のケースって、市販されている?
いくつかあります。弓とケースを一緒に入れられるタイプで、問題なく持ち込みできるのはこちらかと思います。
ANA公式 機内持込用バイオリンケース
ANAの公式ショッピングページであるA-styleで販売しています(同ページより引用)。3辺の合計はジャスト115cm。お値段は約7万円とかなりお高いですが、持ち込み可能とハッキリ明言しているので、確実に持ち込むことができます。JALの規定も同様ですので、JALにももちろん持ち込み可能です。
プリュームABSヴィオ
(東洋楽器HPより引用)日本の東洋楽器が製造しているプリュームABSヴィオも文句なしの機内持ち込み用ケースです。3辺の合計は114.9cm。こちらもサイズ的に全く問題ありません。企業努力がうかがえます!しかも安心の日本製。
実は、先に紹介したANAが通販で販売しているケースは東洋楽器製です。プリュームABSヴィオの前に販売されたモデル「プリュームファイバーヴィオ」からゴム足を取り除いて全体のサイズを小さくしたものです。
値段は約7万円でANAの通販モデルとほぼ同じです。ゴム足が付いている分、こちらのほうが使い勝手が良いと思います。ただ、サイズを極限まで小さくしているので、楽器によっては入らない!なんていうこともあるかもしれません。店頭で確認の上お求め下さい。
BAM HI-TEC CABIN
(BAM HPより引用)こちらは弓ケースが付属していて、別持ちするタイプです。本体を最小限のサイズに抑えているため、3辺の合計は101cmです。(弓ケースの長さは78.4cmありますので、厳密にいえばその点、係員に一声かけることが必要です)こちらもなかなかお高い…日本では7万円ほどで販売されています。
スーパーライトキャリーオンケース
韓国のメーカー、スーパーライトも機内持ち込み用ケースを製造しています。
(SuperLighe HPより引用)こちらも、BAM社製と同じく、本体のみ収納し、弓ケースを別に持つタイプです。3辺の合計は104cm。価格は2万円前後ですので、お求め安いかと思います。
その他”バイオリンを包むだけ”というようなソフトタイプのケースなど色々なケースが販売されていますが、以上が代表的な機内持ち込み対策ケースです。
機内持ち込み用バイオリンケースを借りる
完全に115cmを超えてしまっているケースの場合は(JAL/ANAの場合に限りますが)機内持ち込み用ケースを借りることもできます。
当日カウンターでお願いすることもできますが、数に限りがあります。予約が出来ますので、早めに手続きをして下さい。受け付け期間は搭乗日の2か月前から2日前までです。国内線予約・案内センター0570-029-222(ナビダイヤル)に連絡して下さい。(以下ANA公式HPより)
【機内持ち込み用バイオリンケース】
バイオリンの機内持ち込みをご希望のお客様を対象に、機内持ち込みが可能なサイズのバイオリンケースをご用意しております。
ご自身のバイオリンケースが規定サイズを超えていても、バイオリンと弓を貸し出しケースへ移していただければ機内へのお持ち込みが可能です。
なお、貸し出し用バイオリンケースは座席上の収納棚に収納いただき、ご自身のバイオリンケースは受託手荷物としてお預けください。対象便
座席数100席以上の飛行機で運航する国内線全便
(対象外機種:Q4A、CR7、CRJ、Q82)サイズ
【機内持ち込み用バイオリンケース】
長さ:77cm 幅:24cm 高さ:13.5cm(外寸)※ バイオリンの入れ替えは、お客様ご自身で行っていただきます。
※ 4/4サイズ(全長58.9cm、最大幅20.8cm)のバイオリン、弓は2本まで収納できます。
カウンターで楽器の入れ替え作業をしなければならないので少し神経を使いますが、確実な方法です。
厳密にいうと少しオーバーだがほぼOKなケース
持ち込みサイズの上限は115cmですが、測り方によってギリギリOKになるケースも存在します。1~3cmの誤差であれば、現場の判断でOKになることがほとんどだと思います。少なくとも、JAL/ANAでは文句を言われることはないかと思いますので、国内移動が主の方はこのサイズでも「まぁまぁOK」なのでは?と思い、一応記します。
プリュームファイバーヴィオⅡ
(東洋楽器HPより引用)3辺の合計は116cm。本体のみですと115cmに収まるのですが、ゴム足の分、少~~しだけオーバーしています。それでも、ANAやJALの機内持ち込み用として公式に使われているケースの元になったものですので、概ねOKかと思われます。
ULシェルR/スーパーシェルⅡ
(東洋楽器HPより引用)こちらも東洋楽器のケースです。どちらもサイズは同じ。内装や生地が少し違います。メーカーに問い合わせたところ、3辺の合計は118cmとのことです。私はULシェルRを機内持ち込み用ケースとして使用しています。
厳密に言うと少しサイズがオーバーしていますが、布製ですのでヘリなどを折りたためば3cmくらいはなんとか縮小(?!)できそうな感じです。幸い私はこのケースで持ち込みができなかったことはなく、サイズを測られたこともありません。
ドイツのGEWAなどにも、このあたりのサイズのひょうたん型ケースがあります。
余談ですが、機内持ち込み対策のケースを買おうと思っていたとき、ふと、TVの旅番組にヴァイオリニストの川井郁子さんが出ておられるのを見ました。地方の都市で観光をしている川井さんの肩には…おそらくGEWA社製?と思われる、ものすごく普通のひょうたん型ケースが掛かっているではありませんか。あんなにスゴいヴァイオリニストの方が常時このようなケースを使っているはずもなく…もしや機内持ち込み対策として使われているのでは?と思い、ひょうたん製のケースについても調べるに至ったという経緯です。
万全ではありませんが、多くの方がひょうたん型ケースを機内持ち込みされていますので、今のところは「ほぼ」問題ないのでは?という印象を持っています。
さいごに
最近は機内持ち込みに関して、サイズや重量の制限がとても厳しくなっています。今回は少しサイズオーバーのものも紹介してしまいましたが、機内持ち込み可の保障をするものではありません。国際線ともなると航空会社によって規定はまちまちですし、最終的に空席状況などによる現場の判断に委ねられているようです。ルールを押さえつつ、旅先にもスムーズにバイオリンを連れていってあげられるといいですね!
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